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岩田泰聖│道筋を自由にデザインできることも農業の魅力

 岩田 泰聖 -Taisei Iwata-

岩田泰聖

道筋を自由にデザインできることも農業の魅力

経営したい+ものづくりしたい=農業という選択

長らく都内で会社員をしていましたが、このまま組織の中で与えられた役割を果たしていく生き方よりも、自分が進みたい方向に進むような生き方がしたいと考えるようになり、退職を決意しました。

農家という選択肢は以前から頭にあったわけではなく、自分自身で経営したいという願望と、ものづくりをしてみたいという希望を同時に叶えられる仕事はないかと考えていたら、ふと思い浮かんだんです。

夫婦ともに非農家の出身で、親族や友人にも農業関係者がいない“未知の世界”です。そんな状況で農家を目指すなんて可能だろうか?と思いつつもいろいろと調べてみたら、高齢化と担い手不足による影響があるために自治体の制度などが充実していることを知って、これは自分たちでも勝負できるかもしれないぞ…と。

退職を決意してから「さてどうしようか」という順番だったので、随分のんびりとした考え方だったんですが、いま考えると先に退職して就農活動に専念できたことが良かったと思えることが多いので、人生わからないものですね。

就農するなら地方へ移住しようと考えたときに、その行き先は長野県と決めていました。趣味が登山やスノーボードということもあって、長野県には何度となく来ていたので愛着がありましたし、山並みや自然が身近にある環境での生活に憧れもありました。

県内の候補地を何ヵ所か回って就農体験を重ねましたが、最終的に須坂市に決めたのは、かかわる人に縁を感じたことと、仕事や生活するうえで「ちょうどよい」と感じた場所だったから。

県の果樹試験場があるくらい果樹栽培が盛んな地域なので環境は最適ですし、ほどよく田舎っぽさを味わえるけど、それでいてコンパクトにまとまっているという印象で、実際に移住後も生活にはほとんど不便を感じていません。

あとは、知り合いが誰ひとりいない土地に移住する不安が少しあったので、この「きじまるクラブ」の存在というのも大きかったです。多くの人たちと交流するきっかけづくりになって、今でもいろいろと頼らせてもらっていますよ。

しっかり恩返し&恩送りしたい

まだ自分たちは準備段階なので、現在は独立開業に向けて「深根固柢」の精神で基本をしっかり取り組んでいます。

知識も技術も未熟なので、どうしても無駄な行動や失敗が多くなってしまうのですが、自分なりにいろいろと試行錯誤して、今のうちに数多くの経験を積んでおこうと考えています。やはり経験がものを言う世界だと感じていますし、最終的に判断するのは自分自身なので、そのためにも行動あるのみです。

よく農家は大変だと言われますが、どんな仕事をするにしても大変さはあるのであまり気になりません。それよりも、せっかく自分自身で道筋を自由にデザインできる職業を選んだので、売上や利益だけを追い求めるのではなく、ロマンや遊び心も入れたりして楽しみたいですね。

例えば、いつかシャインマスカットのアイスをつくりたいと考えているんですが、普通に売るわけではなくて、山小屋限定で販売するとかにしたいんです。
汗水流しながら頑張って山に登って、絶景を見ながら食べるアイスがそこでしか買えなくて、しかもぶどう農家が作ったシャインマスカットのアイスだったら、絶対に幸せを感じてもらえると思いませんか?

まぁ採算を考えて実現させるためには課題が多すぎるんですけど、農家=生産するだけではないですし、そういうことを考えられるというのも魅力ですね。

いまは毎日が楽しいですよ。初めて経験することばかりなので新たな発見の連続で、好奇心を刺激される日々ですね。こう前向きに思えるのもたくさんの方々に支えてもらえているからこそなので、そのぶんしっかり恩返しや恩送りをしたいという気持ちが大きな原動力になっています。

まずは周囲の方から認めてもらえるようなぶどう農家になることが目標ですが、自分たちが先輩就農者の方々の事例を参考にしたように、いつかこれから就農しようと考えている方々にヒントを提供できるぐらいの存在になりたいですね。

(取材時期:2019年12月)

これから就農を目指す方へ

就農と同時に移住を考えている方は、時間とお金が許す限り、数多くの候補地を訪れてみることをオススメします。現地に行って肌で感じることで、きっと自分にとって「心地よい」と感じる場所や出会いが見つかるはずです。
窓口となる自治体担当者の方とのやりとりは大事ですが、実際に就農している方から“現場の声”を聴くことも大切と思います。今はSNSなどを利用して直接連絡を取ることもできますし、最終的に判断するときの大きな材料になると思いますよ。
就農や移住は人生で一度きりの大きな挑戦だと思いますので、とにかく行動あるのみです。ともに楽しみましょう。

槍ヶ岳

▲趣味が登山やスノーボードということもあって、長野県は以前から馴染み深い場所だった。山並みや自然が身近にある環境での生活に憧れがあったことから移住にも抵抗はなく、具体的に検討を開始してから実際に移住するまでは、約6ヶ月の“スピード移住”だった。


 

プロフィール

岩田 泰聖(いわた たいせい)

1974年生まれ。東京都出身。ぶどう農家になることを決意して、妻とともに2018年12月に神奈川県川崎市より移住。
2021年4月に独立。農園名は妻の名前を取って「信州すざか ともよファーム」と名付けた。きじまるクラブWEBサイト管理人。

信州すざか ともよファーム
Facebook 岩田 泰聖